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クリニックの口コミを増やす方法|依頼の線引きと文例

「口コミを増やしたいが、患者さんに頼んでよいのか分からない」。クリニックの現場でいちばん多い迷いです。判断が難しいのは、関わるルールが3つあり、しかも線の引き方がそれぞれ違うからで…

目次 8 SECTIONS
この記事の結論
  • 口コミの依頼そのものは禁止されていないが、対価を伴う依頼はGoogleのポリシー違反になる
  • 肯定的な体験談の投稿を依頼すると誘引性が生じ、医療広告の規制対象になる
  • 内容を指定しない声かけを1つに決め、リンクとQRコードの導線を先に用意する

「口コミを増やしたいが、患者さんに頼んでよいのか分からない」。クリニックの現場でいちばん多い迷いです。判断が難しいのは、関わるルールが3つあり、しかも線の引き方がそれぞれ違うからです。Googleのポリシーは「対価」を見ています。医療広告等ガイドラインは「肯定的な内容を求めたかどうか」を見ています。景品表示法は「表示内容を事業者が決めたといえるか」を見ています。この3つを分けて押さえると、やってよいことと避けるべきことがはっきりします。

患者に口コミを依頼してよいのか

依頼そのものは禁止されていません。禁止されているのは、依頼の仕方のうち特定のものです。

医療機関の場合、確認すべきルールは次の3つです。医科・歯科を問わず、すべて同時にかかります。

  • Google マップのユーザー投稿コンテンツのポリシー
  • 医療広告等ガイドライン(厚生労働省)
  • 景品表示法のステルスマーケティング規制(消費者庁)

それぞれ見ているところが違います。

ルール何を見ているか違反したときに起きること
Google マップのユーザー投稿コンテンツのポリシー対価の有無と、内容への影響口コミの削除、プロフィールの制限
医療広告等ガイドライン誘引性の有無(肯定的な内容を求めたか)都道府県等による指導・是正命令の対象
景品表示法のステルスマーケティング規制事業者が表示内容を決定したといえるか措置命令等の対象(責任を負うのは事業者)

3つとも同時にかかります。どれか1つを満たしていれば安全、という関係ではありません。

Googleのポリシーはどこに線を引いているか

Googleは、対価を伴う口コミを「虚偽のエンゲージメント」として禁止しています。金銭や物品の提供、割引と引き換えの投稿依頼、否定的な口コミの削除や修正と引き換えの特典提供は、いずれも違反にあたります。

一方で、対価を伴わず内容に影響を与えない依頼は認められています。Googleは、インセンティブを提供したり内容に影響を与えたりすることなく、実体験に基づく口コミを促すことを許容される行為として示しています。

ポリシー上、次の行為も禁止されています。院内の運用ルールに入り込みやすいものばかりです。

  • スタッフに一定件数の口コミ獲得を義務づける
  • 特定の内容(担当者名を書くなど)を条件にする
  • 否定的な意見を遮り、好意的な人にだけ依頼する
  • その場で評価を入力させることを必須にする

医療広告等ガイドラインはどこに線を引いているか

医療機関にはもう一段の規制があります。「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)は、患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告を禁止しています(医療法施行規則第1条の9第1号)。

ここで効いてくるのが「そもそも広告に当たるか」の判断です。ガイドラインは、誘引性・特定性・内容関連性の3つを広告該当性の要件としています。

第三者が運営する口コミサイトへの投稿について、Q&AのQ2-11は次のように述べています。

個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しません。

つまり、患者が自発的に書いた口コミは広告ではありません。

問題は依頼した場合です。Q&AのQ1-18は、医療機関が患者に肯定的な体験談の投稿を依頼した場合には誘引性が生じ、誘引性がある体験談は広告規制の対象となって、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することはできない、という整理を示しています。

肯定的な内容を求めない。 これが医療機関特有の線引きです。

やってよい声かけと、避けたい声かけ

声かけの例扱い理由
「よろしければGoogleに感想をお寄せください」問題になりにくい対価も内容の指定もない
「星5をつけていただけたら次回500円引き」不可対価を伴う投稿依頼。Googleのポリシー違反。特定の評価を条件とするため景品表示法上も「事業者の表示」に当たり得る
「よかった点を書いていただけますか」避ける肯定的な体験談の依頼にあたり、誘引性が生じる
「治療の効果について書いてください」避ける治療等の内容・効果に関する体験談を求めることになる
満足した人にだけ声をかけ、不満のある人は受付に誘導する不可否定的な意見の遮断にあたる

景品表示法の扱いだけは、少し様子が違います。消費者庁のQ&Aは、特定の評価を条件とせずに口コミを依頼し、割引やクーポンを渡す場合について、事業者は表示内容の決定に関与しているとはいえないため、通常は「事業者の表示」に当たらないとしています。一方で、星5などの特定の評価を条件とする場合は、事業者が表示の内容を決定しているといえるため「事業者の表示」に当たるとしています。

ここで誤解が起きます。景品表示法上セーフでも、Googleのポリシー上は対価と引き換えの依頼そのものが違反です。判断の枠組みが別なので、片方だけを根拠に運用を決めないでください。

いつ依頼するのが自然か

依頼のタイミングについて、Googleや公的機関が公表している統計はありません。ここでは、依頼が無理なく成立する条件から逆算して整理します。

声をかけやすい場面は次の3つです。

  • 治療や施術が一区切りついた直後
  • 会計や次回予約の案内をしているとき
  • 自費診療などで、本人が満足を口にした直後

逆に、避けたい場面もはっきりしています。

  • 待合が混雑していて、会計に列ができているとき
  • 治療方針の説明中や、検査結果を伝えた直後
  • 体調が不安定で、会話に負担がかかる状態のとき

3つ目は特に注意が必要です。断りにくい状況で頼むと、依頼が実質的な強制に近づきます。

依頼の導線をつくる手順

  1. 口コミリンクとQRコードを取得する。ビジネスプロフィールで「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」(共有アイコン)を開き、リンクはコピーアイコンで取得、QRコードは右クリックして画像として保存します。QRコードの生成はパソコンのブラウザのみで、モバイル端末からは生成できません(2026年9月時点)
  2. 置き場所を決める。会計カウンター、診察券ホルダー、次回予約票、サンクスメールやメッセージが候補になります
  3. 声かけの文言を1つに統一する。人によって言い方が変わると、内容を指定する表現が混ざりやすくなります
  4. 「依頼しない場面」をスタッフ間で決めておく
  5. 月に1回、投稿数と内容を確認する

そのまま使える文例

会計・受付での声かけ

本日はありがとうございました。もしよろしければ、Googleに感想をお寄せいただけますと幸いです。こちらのQRコードからご投稿いただけます。内容は自由です。

サンクスメール・メッセージ

本日はご来院いただきありがとうございました。当院の改善のため、よろしければ感想をお聞かせください。内容は自由で、評価の高さは問いません。こちらからご投稿いただけます。(リンク)

院内掲示

Googleのクチコミを受け付けています。ご意見・ご感想をお寄せください。

いずれも「内容は自由です」を添えています。この一文があると、肯定的な内容を求めていないことが受け手にも記録にも残ります。

よくある質問

口コミを書いてくれた患者さんに粗品を渡すのは問題ありませんか

Googleのポリシーでは禁止されています。金銭や物品、割引と引き換えに口コミを依頼することは虚偽のエンゲージメントに該当します。消費者庁のQ&Aでは、特定の評価を条件としない口コミ依頼は通常「事業者の表示」に当たらないとされていますが、これは景品表示法上の判断です。Googleのポリシー違反は別に成立します。

スタッフや家族に口コミを書いてもらってもよいですか

Googleは、その事業所と雇用関係や契約関係など職業上のつながりがある人物による口コミを、利益相反として禁止しています。また医療広告等ガイドラインのQ&Aでは、医療機関の経営に関係する者の家族等が当該医療機関の利益を目的として投稿する場合について、誘引性が認められる例として挙げられています。

患者さんの声を自院のウェブサイトに載せるのはどうですか

第三者の口コミサイトに患者が自発的に投稿したものとは扱いが異なります。医療広告等ガイドラインは、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告を禁止しており、記述された内容が広告可能な事項の範囲内であっても認められないとしています。自院サイトへの掲載を検討する場合は、公開前に医療広告に詳しい専門家に確認してください。

口コミが1件もない状態から始める場合、何から手をつけますか

投稿の導線を用意することです。リンクとQRコードを取得し、会計時の声かけを1つに決めるところまでで、依頼できる状態になります。件数を目標に置くとスタッフへの義務づけに傾きやすいため、「何件集まったか」ではなく「依頼できる場面を用意できたか」で運用を見るほうが安全です。

本記事の手順・仕様は2026年9月時点のものです。Googleの仕様は変更されることがあります。

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LocalBuzz Magazine編集部

編集長

店舗集客・MEO・口コミマーケティングを中心に、LocalBuzzマガジンの企画・編集を担当。 Googleマップや口コミ、SNS、LINEなど、店舗ビジネスを取り巻く集客手法について、「店舗運営者が実際に使える情報」を軸に情報を発信しています。 飲食店、美容サロン、クリニック、小売店をはじめとした店舗ビジネスの事例や最新動向をリサーチし、専門的になりがちなMEOやデジタルマーケティングの情報を、できるだけわかりやすく解説することを心がけています。 「口コミを、最高の広告にする。」をテーマに、地域で選ばれる店舗づくりに役立つ情報をお届けします。 担当領域 MEO/Googleビジネスプロフィール/口コミマーケティング/店舗集客/LINE・CRM/SNS活用

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