歯科医院のMEO対策|医療広告規制を踏まえた順位要因と手順
歯科医院のMEO対策は、一般的な店舗と同じ手順では進められません。医療広告等ガイドラインの対象になる範囲、体験談と口コミの扱い、写真掲載の制限を確認したうえで、Googleビジネスプロフィールの設定と運用の手順を整理します。

歯科医院のMEO対策は、飲食店や美容室と同じ手順では進められません。医療機関の広告には医療法にもとづく規制があり、Googleビジネスプロフィールに掲載する内容もその範囲に入り得るためです。
一方で、患者が歯科医院を探す動線は地図検索に強く寄っています。厚生労働省の医療施設動態調査によれば、令和8年3月末時点の歯科診療所は全国で65,213施設あります。同じ商圏に複数の選択肢があるなかで、地図上でどう見えているかは来院の判断に関わります。
この記事では、規制の範囲を先に確認したうえで、歯科医院がGoogleビジネスプロフィールで実際に手を付けられる部分を整理します。
歯科医院のGoogleビジネスプロフィールは広告にあたるのか
厚生労働省の医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)は、次の要件をいずれも満たすものを広告として扱うとしています。
- 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
- 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称、または病院、診療所等の名称が特定可能であること(特定性)
- 医業若しくは歯科医業、または病院若しくは診療所に関する内容であること
ガイドラインは、医療機関のウェブサイト等についても他の広告媒体と同様に規制の対象とすると述べており、インターネット上の広告等を規制対象に含めています。
歯科医院が自ら管理し、院名を掲げて診療内容を掲載しているビジネスプロフィールは、3要件を満たす可能性が高いと考えられます。 ガイドラインがビジネスプロフィールという媒体名を名指ししているわけではないため、ここは解釈が入ります。公開前に監修者へ確認してください。
禁止されている広告の類型
ガイドラインが挙げる禁止類型のうち、ビジネスプロフィールの運用で関わりやすいものは次のとおりです。
| 類型 | 内容 | プロフィール運用で触れやすい場面 |
|---|---|---|
| 虚偽にわたる広告 | 事実と異なる内容 | 提供していない診療内容をサービス欄に登録する |
| 比較優良広告 | 他の病院・診療所と比較して優良である旨 | 「地域で最も」「No.1」といった投稿文 |
| 誇大な広告 | 事実を誇張した内容 | 治療期間や効果を断定する投稿 |
| 体験談の広告 | 患者等の主観または伝聞に基づく、治療等の内容・効果に関する体験談 | 口コミの引用を投稿や説明文に転載する |
| 術前術後の写真 | 治療等の内容・効果について誤認させるおそれのある治療前後の写真等 | 写真欄への症例写真の掲載 |
体験談については、省令にもとづき「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告」が禁止されています。ガイドラインは、これを医療機関が当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものとしています。
口コミはどこまで扱えるのか
ここは判断が分かれやすい箇所なので、規制ごとに分けて整理します。
患者が自発的に書いた口コミ
ガイドラインは、第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載について、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないとしています。
つまり、患者が自分の意思で書いた口コミは、医院の広告としては扱われません。口コミが付いていること自体が問題になるわけではありません。
医院が依頼した場合
医療機関からの依頼や金銭的謝礼がある場合は、広告として取り扱われます。この場合、内容が治療の効果に関する体験談であれば、禁止される広告に該当し得ます。
Google側のポリシーとも重なります。Googleは、クチコミの投稿と引き換えにインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為を禁止し、否定的なクチコミの投稿を妨げる行為、肯定的なクチコミを選択的に募る行為も禁止しています。
見返りを伴う口コミ依頼は、医療広告規制とGoogleのポリシーの両方に触れます。 ここは慎重に扱ってください。
口コミを自院サイトに転載する場合
自院のウェブサイトに口コミを転載すると、医院自身が掲載した内容になります。治療内容や効果に関する体験談であれば、禁止される広告に該当し得ます。転載を検討する場合は、監修者に個別に確認してください。
返信の書き方
口コミへの返信は医院が書く文章なので、広告規制の対象として考えるのが安全です。返信文のなかで治療効果に触れる、他院と比較する、といった書き方は避けます。
また、患者の来院事実は本人以外に知られてはならない情報です。返信で来院時期や治療内容に触れると、公開の場で診療情報を明らかにすることになります。返信は事実確認を避け、一般的な表現にとどめるのが実務上は無難です。
順位を左右する要素のうち、動かせるもの
Googleは、ローカル検索結果が主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されると説明しています。
| 要素 | 内容 | 歯科医院で手を付けられるか |
|---|---|---|
| 関連性 | 検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い | 手を付けられる。情報の正確さと網羅性で改善する |
| 距離 | 検索しているユーザーから各拠点までの距離 | 動かせない。移転を除く |
| 知名度 | ビジネスがどれだけ広く知られているか | 一部手を付けられる。クチコミ数と評価が関係するとされている |
距離が動かせない以上、実務としては関連性の精度を上げる作業が中心になります。Googleは、クチコミ数が多く評価の高いビジネスはローカル検索結果のランキングが高くなると説明していますが、これは相関を示す説明であり、口コミを集めれば順位が上がると単純化はできません。
なお、Googleは「ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」と明記しています。順位を保証する提案は、その時点で内容を確認してください。
設定と運用の手順
2026年9月時点の管理画面での操作を前提にしています。Googleの仕様は変更されることがあります。
- カテゴリを確認する:メインカテゴリは診療の中心に合わせます。矯正やインプラントを中心に据えている場合でも、まず主業態を選び、残りは追加カテゴリで補います。
- 診療時間を実態に合わせる:昼休みがある場合は分割して登録します。年末年始や学会休診は特別営業時間で設定します。
- サービス欄を実際の診療内容だけにする:提供していない診療内容の登録は、虚偽にわたる広告に該当し得ます。
- 写真を整える:外観、待合室、診療室、駐車場の順で用意します。症例写真は掲載しません。
- 予約リンクを設定する:予約システムを使っている場合はリンクを設定し、電話のみの場合は電話番号の正確さを優先します。
- 投稿を運用に組み込む:休診案内、設備の更新、担当医の変更など、事実の告知に絞ります。効果や体験談は扱いません。
- 口コミの返信を担当者と頻度で決める:内容は一般的な表現にとどめ、診療内容には触れません。
院内で決めておくこと
- 投稿文と返信文の最終確認者を1名決める
- 「地域No.1」「痛くない」といった表現を使わない語彙リストを共有する
- 症例写真をプロフィールに載せない旨を、写真を撮るスタッフに伝える
- 口コミ依頼をする場合、見返りを伴わない文面に統一する
よくある質問
患者に口コミを書いてもらうよう頼んでもよいですか
Googleは、インセンティブを提供したり評価や内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づく投稿を募ることは認めています。一方、医療広告規制の側では、医療機関が依頼して掲載させた体験談は広告として扱われ、治療内容や効果に関する体験談であれば禁止の対象になり得ます。依頼する場合の文面は、監修者に確認してください。
治療前後の写真をプロフィールに載せてもよいですか
医療広告等ガイドラインは、治療等の内容または効果について患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等の広告を禁止しています。ビジネスプロフィールの写真欄への掲載は避けてください。
事実と異なる口コミが投稿された場合はどうしますか
Googleのポリシーに違反する内容であれば、報告して削除を依頼できます。ただし、削除されるかどうかはGoogle側の判断になります。返信で反論する場合、来院の有無や診療内容に触れると、公開の場で患者の情報を明らかにすることになります。事実関係には触れず、連絡先を案内するにとどめる対応が実務では選ばれています。
「インプラント 地域名」で上位に出したい場合、何から着手しますか
まずカテゴリとサービス欄が実際の診療内容と一致しているかを確認します。距離の要素は動かせないため、商圏外からの検索で上位に出すことは想定しにくくなります。特定の診療名での露出は、プロフィール単体ではなく自院サイト側の情報整備と合わせて考えるほうが現実的です。
自店の現状を1分で確かめる
記事の内容を自店に当てはめる前に、いまの状態を数値で把握しておくと、どこから手をつけるべきかが決まります。無料MEO診断は5問1分、登録不要でスコアが出ます。
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