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歯科医院が口コミを増やす方法|依頼のタイミングと文例

歯科医院の口コミは、増やしたいという動機と、増やし方を間違えたときの代償が、他の業種よりも近い距離にあります。飲食店なら「口コミを書いてくれたらドリンク一杯」で済むところが、歯科で…

目次 6 SECTIONS
この記事の結論
  • 第三者の口コミサイトへの投稿は、医療機関が費用負担などの便宜を図って依頼していなければ、原則として医療広告に該当しない。
  • 患者に「肯定的な体験談」の投稿を依頼すると誘引性が生じるため、依頼時は内容を指定しない。
  • 口コミの見返りに割引や特典を渡す行為は、Googleが虚偽のエンゲージメントとして禁止している。

歯科医院の口コミは、増やしたいという動機と、増やし方を間違えたときの代償が、他の業種よりも近い距離にあります。飲食店なら「口コミを書いてくれたらドリンク一杯」で済むところが、歯科では景品表示法だけでなく医療広告規制という別のレイヤーが重なるからです。実務で悩ましいのは、禁止されているのが「口コミを集めること」そのものではなく、「集め方」と「使い方」だという点にあります。この記事では、どこまでが通常の集客施策で、どこからが規制の対象になるのかを、厚生労働省の医療広告ガイドラインとGoogleのポリシーを一次情報として線引きします。

歯科医院の口コミは「広告」に当たるのか

第三者の口コミサイトへの投稿は、原則として広告ではない

医療広告ガイドラインは、医療広告に該当するかどうかを次の3つの要件で判断するとしています。

  1. 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
  2. 医業等を提供する者の氏名・名称、または病院・診療所等の名称が特定可能であること(特定性)
  3. 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する内容であること

Googleの口コミは、医院名が明示される以上、特定性と3番目の要件は満たします。判断を分けるのは誘引性です。ガイドラインは、第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載について、「医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しない」と明記しています。

つまり、患者が自発的に書いた口コミは、内容が治療の感想であっても医療広告規制の対象外です。口コミを集めること自体が禁じられているわけではない、というのが出発点になります。

依頼の仕方しだいで、誘引性が生じる

問題はここからです。医療広告ガイドラインに関するQ&Aは、Q1-18で「医療機関が患者やその家族に肯定的な体験談の投稿を依頼した場合は、当該体験談には誘引性が生じます」としています。

誘引性が生じれば3要件がそろい、その口コミは医療広告として扱われる余地が出てきます。そして医療法第6条の5第2項および同ガイドラインは、患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告を禁止しています。順を追うと、次のような経路が成立しうるということです。

「治療がうまくいったと書いてください」と依頼する → 誘引性が生じる → 広告に該当しうる → 治療内容・効果に関する体験談の広告は禁止されている

ここから導かれる実務上の指針は明快です。依頼してよいが、内容は指定しない。「よい口コミを」「治療効果について」といった方向づけを避け、投稿の有無も内容も患者の判断に委ねる形にします。これは我慢を強いる話に見えますが、内容を指定しない依頼のほうが投稿率が落ちるとは限りません。率直な感想を求めるほうが、患者にとって書く負担が小さいという面もあります。

自院サイトへの転載は、口コミとは別の規制になる

Googleに集まった口コミを自院サイトに載せたくなりますが、ガイドラインは「当該病院等が自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談については広告に該当する」としています。第三者サイト上ではセーフでも、自院サイトに転載した瞬間に広告になる、という構造です。転載は、治療内容や効果に触れていないもの(設備や対応に関する記述など)に限る、という運用が現実的でしょう。

依頼してよいこと・いけないこと

項目可否の目安根拠・注意点
口コミ投稿用リンク・QRコードを渡す可Googleはクチコミリクエストのリンクやコードを顧客と共有する方法を案内している
会計時に一言添えて依頼する可内容を指定しないこと。投稿を条件づけない
「よい評価で」「治療効果について」と内容を指定する避けるQ&A Q1-18により誘引性が生じ、広告該当性が問題になりうる
口コミと引き換えに割引・特典を渡す不可Googleは商品やサービスの無料・割引提供と引き換えの投稿依頼を虚偽のエンゲージメントとして禁止
低評価の患者にだけ依頼しない(選別)避ける実態と異なる評価を作る運用であり、ポリシー違反の指摘を受けうる
スタッフや家族に投稿してもらう避ける利害関係者の投稿。景品表示法のステルスマーケティング規制の観点でも整理が必要
自院サイトに治療効果の体験談として転載不可自院サイト掲載分は広告に該当し、体験談広告の禁止に触れる

景品表示法については、令和5年10月1日から、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示が不当表示として規制されています。事業者が第三者に依頼し、その表示が第三者の自主的な意思によるものと客観的に認められない場合、事業者の表示として扱われます。医院が関与した口コミであることを伏せたまま投稿を促す設計は、医療広告規制とは別に、この規制の側からも問題になりえます。

依頼するタイミングをどこに置くか

歯科は来院回数が多く、治療の区切りがはっきりしている点が、他業種にない強みです。依頼のタイミングは「満足度が高い瞬間」ではなく、「治療の区切り」に置くほうが運用が安定します。満足度を基準にすると、スタッフが患者の反応を見て声をかける相手を選ぶことになり、選別に近い運用になってしまうためです。

  • 自由診療・補綴治療の完了時 ── セット当日は説明の時間が確保されており、会話の流れで案内しやすい
  • 定期メンテナンスの2回目以降 ── 継続来院している患者は医院全体を評価できる状態にある
  • 矯正治療の装置除去時 ── 治療期間が長く、経過を語れる材料が多い
  • 急患対応の翌回来院時 ── 当日は痛みや不安が残るため、次回の落ち着いた場面で

いずれの場面でも、声をかける対象をあらかじめ決めておくこと(例:当該治療を完了した患者全員)が、選別を避ける最も簡単な方法です。

現場で回る依頼文の型

口頭での依頼は、次の3要素だけで足ります。内容への言及を入れないことが要点です。

  1. 何をしてほしいか(Googleに感想を投稿してほしい)
  2. どうやるか(受付でお渡しするカードのQRコードから)
  3. 断ってよいことの明示(お時間のあるときで構いません)

文例として、会計時であれば「当院では、お越しいただいた方のご感想をGoogleで募集しています。よろしければ、こちらのQRコードからお聞かせください。もちろん、書く・書かないはご自由です」といった形になります。「よい評価をお願いします」「治療の効果について書いてください」を足さないことが、この文例の実質です。

LocalBuzzでは口コミ依頼をLINEやSMSから送る機能を提供していますが、紙のカードとQRコードでも同じ導線は作れます。重要なのは手段ではなく、依頼の文面から内容の指定を外しておくことです。

返信で気をつけること

口コミへの返信は、投稿された内容に医院が応答する行為であり、返信文そのものは医院の表示です。ここで患者の来院事実や治療内容に触れると、個人情報の取扱いの問題が生じます。医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(個人情報保護委員会・厚生労働省)が、医療機関における個人情報の取扱いの基準を示しています。

実務上は、返信文の中で次の情報に触れないという運用でおおむね足ります。

  • その人が来院した事実そのもの(「先日はご来院ありがとうございました」も、来院事実の確認になりうる)
  • 治療内容、診断名、通院時期
  • 家族構成や紹介者など、投稿者本人が書いていない周辺情報

投稿者が自分で「○○の治療を受けた」と書いている場合でも、医院側がそれを繰り返す必要はありません。「ご投稿ありがとうございます。いただいたご意見は院内で共有いたします」という水準に留めるほうが安全です。返信の具体的な書き分けは、歯科医院の口コミ返信で守るべき制約を扱った記事で詳しく整理しています。

よくある質問

患者に口コミの投稿をお願いすること自体が違法ですか。

違法とされているわけではありません。医療広告ガイドラインは、第三者が運営する口コミサイトへの体験談掲載について、医療機関が費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は広告に該当しないとしています。問題になるのは依頼の内容を指定した場合で、Q&A Q1-18は、肯定的な体験談の投稿を依頼した場合に誘引性が生じるとしています。

口コミを書いてくれた患者に歯ブラシを渡すのは問題ありませんか。

Googleは、口コミの投稿・変更・否定的な口コミの削除と引き換えに、無料または割引価格で商品やサービスを提供することを虚偽のエンゲージメントとして禁止しています。物品の種類や金額の大小にかかわらず、投稿と引き換える設計にしないことが前提になります。来院者全員に配布する物品と、口コミを条件とする物品は別物として扱ってください。

Googleの口コミを自院サイトに載せたいのですが。

治療等の内容や効果に触れた体験談については、自院ウェブサイトへの掲載は広告に該当するとガイドラインが明記しており、体験談広告の禁止に触れます。設備や受付対応など、治療内容・効果に関わらない記述に限定するか、掲載自体を見送る判断になります。判断が分かれる箇所なので、掲載前に確認を取ることをおすすめします。

低評価が付いたとき、削除を依頼できますか。

Googleのポリシーに違反する内容(無関係な内容、なりすまし、個人情報の掲載など)であれば報告できますが、事実に基づく低評価であることを理由とした削除はできません。返信で事実関係と改善策を示すほうが、他の閲覧者に対しては効果的です。この論点は口コミの削除依頼を扱った記事で個別に整理しています。

スタッフに口コミを書いてもらうのは問題がありますか。

利害関係者による投稿であり、実体験に基づく口コミを求めるGoogleのポリシーの趣旨に反します。また、事業者の依頼による表示であることを伏せた投稿は、令和5年10月1日から施行されている景品表示法上のステルスマーケティング規制の対象になりえます。避けてください。

本記事の手順・仕様は2026年9月時点のものです。Googleの仕様は変更されることがあります。

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LocalBuzz Magazine編集部

編集長

店舗集客・MEO・口コミマーケティングを中心に、LocalBuzzマガジンの企画・編集を担当。 Googleマップや口コミ、SNS、LINEなど、店舗ビジネスを取り巻く集客手法について、「店舗運営者が実際に使える情報」を軸に情報を発信しています。 飲食店、美容サロン、クリニック、小売店をはじめとした店舗ビジネスの事例や最新動向をリサーチし、専門的になりがちなMEOやデジタルマーケティングの情報を、できるだけわかりやすく解説することを心がけています。 「口コミを、最高の広告にする。」をテーマに、地域で選ばれる店舗づくりに役立つ情報をお届けします。 担当領域 MEO/Googleビジネスプロフィール/口コミマーケティング/店舗集客/LINE・CRM/SNS活用

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