不動産会社のMEO対策|業種特有の順位要因と実践手順
不動産会社の集客は、ポータルサイトへの掲載費が固定費として積み上がりやすい構造にあります。そこにMEOを足そうとすると、「物件はポータルで探されるのだから、地図で店舗が出ても意味が…

目次 7 SECTIONS
- 不動産会社のカテゴリは「何を仲介するか」ではなく、顧客が店を呼ぶときの言葉に寄せる
- 商圏は店舗からの距離ではなく、取り扱いエリアの表記と一致させる
- ビジネスプロフィール上の表記も宅地建物取引業法の広告規制の対象になりうる
不動産会社の集客は、ポータルサイトへの掲載費が固定費として積み上がりやすい構造にあります。そこにMEOを足そうとすると、「物件はポータルで探されるのだから、地図で店舗が出ても意味がないのでは」という疑問が最初に来ます。
実際には、探す対象が物件か会社かで検索の仕方が分かれます。物件はポータルで比較され、相談相手としての不動産会社は地名とあわせて地図上で選ばれます。この二つは競合しません。
ここでは、不動産会社がビジネスプロフィールを整えるときに、他業種と判断が変わる箇所に絞って整理します。設定の基本手順ではなく、不動産業だから迷うところだけを扱います。
不動産会社のMEOは何が違うのか
三つあります。商圏の決め方、来店までの検討期間、そして広告規制です。
飲食店や美容室は、店舗の立地がそのまま商圏になります。不動産会社はそうなりません。店舗は駅前にあっても、取り扱うエリアは沿線全体に広がることがあります。Googleはローカル検索結果の掲載順位について「関連性、距離、知名度」の3つを挙げており、このうち距離は「ユーザーから各ビジネス拠点までの距離」とされています(Google ビジネス プロフィール ヘルプ、2026年10月時点)。店舗から離れたエリアの検索で上位に出ることは、構造上そもそも難しいという前提から始まります。
検討期間も違います。来店は一度きりではなく、問い合わせから契約まで何度も情報を見返されます。プロフィールに載せる情報は「来店を決めるための情報」であると同時に、「相談相手として信用できるかを確かめる情報」として読まれます。
そして広告規制です。宅地建物取引業法第32条は、広告について「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁じています(国土交通省 国不動指第80号、令和5年1月12日)。この規制は媒体を限定していません。ビジネスプロフィールの説明文や投稿も、内容によっては広告として扱われる可能性があります。
順位の3要素を不動産会社に当てはめる
Googleが公表している3要素を、自社で動かせるかどうかで見ると次のようになります。
| 要素 | Googleの説明 | 不動産会社での現実的な打ち手 |
|---|---|---|
| 関連性 | 検索語句とビジネスプロフィールの合致度 | カテゴリと説明文を、顧客が使う言葉に合わせる。「賃貸」「売買」「管理」のどれを主軸にするかを決める |
| 距離 | ユーザーから各ビジネス拠点までの距離 | 動かせない。支店の配置を変えない限り、店舗から遠い地名での上位表示は期待しない |
| 知名度 | 知名度の高い場所ほど検索結果に表示される可能性が高くなる | 口コミへの返信、写真の追加、情報の最新化といった、Googleが改善方法として挙げている項目を継続する |
距離が動かせない以上、エリアを広げたいときの選択肢は限られます。支店を出すか、エリア名を含む自社サイトのページで検索流入を取るか、のどちらかです。「サービス提供地域を広く設定すれば遠方でも上位に出る」という説明を見かけますが、Googleがそのように述べている資料は確認できません。
エリアを広げたいときに先に考えること
店舗から遠い地名で地図に出すことは難しい、という前提に立つと、打ち手は三つに絞られます。
- 拠点を増やす(費用も実態の確保も必要になるため、最後の手段)
- 自社サイトでエリア別のページを作り、通常の検索結果から取る
- 地図で取る範囲を店舗周辺に限定し、そこでの表示回数と問い合わせを最大化する
多くの会社にとって現実的なのは三つ目です。店舗から半径で届く範囲の検索で確実に選ばれる状態を作ってから、エリアを足すかどうかを考える順番になります。先に範囲を広げると、どのエリアで成果が出ているのかが分からなくなります。
設定で先に直す項目
順番に効きます。上から見てください。
- カテゴリを決める。 Googleのガイドラインは「中核事業に当てはまるカテゴリを、できるだけ少なく選択します」としています。賃貸仲介が売上の中心なら、管理や売買を並べる前に、主業態をメインカテゴリに据えます
- 会社名を実際の商号どおりにする。 店舗名にエリア名やキーワードを足すことはガイドライン違反にあたり、プロフィールの停止につながる可能性があります
- 営業時間と定休日を正確に保つ。 不動産会社は水曜定休が多く、特別営業時間の設定漏れが起きやすい箇所です
- 宅地建物取引業者免許番号を説明文に記載する。 相談相手として確認される情報です
- 写真を店内中心にする。 物件写真ではなく、来店したときに見る景色を載せます
説明文に書くこと、書かないこと
| 書く | 書かない |
|---|---|
| 取り扱い種別(賃貸/売買/管理)と対応エリアの実態 | 「地域ナンバーワン」など、根拠を示せない優良性の表示 |
| 免許番号、所属する団体 | 成約済み物件や、取引する意思のない物件の訴求 |
| 相談の流れ、来店予約の要否 | 他社との比較で自社が有利に見える断定 |
| 対応できる相談内容(住み替え、相続、投資など) | 手数料に関する誤認を招く表現 |
国土交通省の通知は、取引する意思のない物件を好条件で広告して顧客を誘引する行為や、成約済み物件を速やかに削除せず継続掲載することを、おとり広告・虚偽広告として問題視しています。投稿機能で物件を紹介する運用をするなら、削除のルールを先に決めてください。投稿は出すより消すほうが忘れられます。
口コミをどう扱うか
不動産取引は件数が少なく、単価が高い取引です。飲食店のように件数を積む運用は成り立ちません。
- 契約後の引き渡し時など、満足度が確定したタイミングに絞って依頼する
- 依頼は口頭または書面で、投稿内容を指定しない
- 謝礼や値引きと引き換えにしない。Googleのポリシーは、インセンティブと引き換えのクチコミを禁止しています
- 低評価には、取引の個別事情に触れずに返信する
最後の点は不動産業で特に重要です。返信で契約内容や物件名に触れると、投稿者が誰であるかを第三者が推測できる状態になります。返信はGoogle上で公開され、ビジネスからの返信として表示されます。個別の事実確認は、返信ではなく別の連絡経路で行ってください。
よくある質問
支店ごとにビジネスプロフィールを作るべきですか
実際に人がいて来店を受け付けている拠点であれば、拠点ごとに作ります。Googleのガイドラインは正確な住所の記載を求めており、実態のない住所での登録は認められません。営業所の実態がない住所で登録すると、停止の対象になりえます。
サービス提供地域はどこまで設定してよいですか
実際に対応できる範囲にとどめてください。設定を広げることで遠方の検索で上位に出ると説明されることがありますが、Googleがそう述べている資料は確認できません。対応できないエリアから問い合わせが来る負荷のほうが先に表面化します。
物件情報をGoogleの投稿機能で流してもよいですか
機能上は可能です。ただし宅地建物取引業法の広告規制が及ぶ前提で運用してください。成約済みの物件を残さない、取引態様を明示する、誤認を招く表現を避ける、という三点を投稿フローに組み込む必要があります。運用の手間に見合わないと判断するなら、投稿は店舗情報や相談会の告知に絞るのが現実的です。
ポータルサイトをやめてMEOに寄せられますか
役割が違うため、置き換えとしては考えにくいところです。物件を探す段階の検索と、相談先を探す段階の検索は別物です。私たちが支援した範囲では、MEOで増えたのは物件の問い合わせより、来店相談と会社名の指名検索でした。どちらを増やしたいかで配分を決めてください。
本記事の手順・仕様は2026年10月時点のものです。Googleの仕様は変更されることがあります。
自店の現状を1分で確かめる
記事の内容を自店に当てはめる前に、いまの状態を数値で把握しておくと、どこから手をつけるべきかが決まります。無料MEO診断は5問1分、登録不要でスコアが出ます。
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