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アンケートと口コミを連動させる導線設計|手順と法令の線引き

来店後にアンケートを送り、満足度が高かった人にだけ口コミ投稿のリンクを出す。この設計は効率がよく、提案として持ち込まれることも多い仕組みです。そして、やってはいけない設計です。 ア…

目次 6 SECTIONS
この記事の結論
  • アンケートの回答内容で口コミの依頼先を選別する設計にしてはいけない
  • 投稿と引き換えに割引や無料提供を行う行為は、Googleのポリシーで禁止されている
  • 投稿内容を指定すると、その投稿は景品表示法上「事業者の表示」になりうる

来店後にアンケートを送り、満足度が高かった人にだけ口コミ投稿のリンクを出す。この設計は効率がよく、提案として持ち込まれることも多い仕組みです。そして、やってはいけない設計です。

アンケートと口コミを連動させること自体は問題ありません。問題になるのは、回答内容で依頼先を振り分けること、投稿と引き換えに何かを渡すこと、投稿の内容に条件を付けることの3つです。この3つを外せば、アンケートは口コミ運用のなかでいちばん素直に回る導線になります。

ここでは、Googleのポリシーと消費者庁の資料に当たりながら、やってよい範囲とそうでない範囲、そして現場で回る設計手順を整理します。

アンケートと口コミを連動させる目的

アンケートと口コミは、集まる情報の性質が違います。

アンケートGoogle口コミ
読む相手店舗側検索したユーザー
書ける内容具体的な改善点、率直な不満公開される前提の体験
店舗が使える場面オペレーションの改善集客、検索での選ばれ方
件数の集まりやすさ依頼すれば集まりやすい手間が増えるため落ちる

連動させる意味は、口コミを選別することではなく、接点をつくることにあります。アンケートに答えた人は、すでに店舗に対して一度アクションを起こしています。その流れで投稿の案内を目にする設計は、何の前置きもなくリンクを送るより自然です。

Googleのヘルプも、依頼の手段として「Google リンクにアクセスするか、QR コードをスキャンするようユーザーに依頼できます」と案内しています。依頼そのものは禁じられていません。

Googleのポリシーが禁じていること

ユーザー投稿コンテンツのポリシーには、次の記述があります。

「直接的な金銭または現物が対価として支払われたクチコミまたは評価。」

「クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。」

「企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されているコンテンツ。」

「利益相反に基づくコンテンツ。利益相反には、現在または過去の雇用関係、契約関係や顧問関係……が含まれます。」

ビジネスプロフィールのヘルプも、「クチコミの投稿、クチコミの変更、否定的なクチコミの削除と引き換えに、無料または割引価格で商品やサービスを提供する」行為は「固く禁じられています」としています。

ここを押さえると、アンケートの謝礼の設計に制約が出ます。アンケート回答への謝礼は問題ありませんが、口コミ投稿への謝礼にしてはいけません。同じクーポンを使うとしても、「アンケートに答えた方へ」と「口コミを書いた方へ」は別物です。

もう1点、スタッフや関係者による投稿は「利益相反に基づくコンテンツ」に当たります。アンケートをスタッフにも配って回答を集める運用は構いませんが、その流れでスタッフに投稿を依頼してはいけません。

景品表示法(ステマ規制)の線引き

景品表示法に基づく指定告示により、2023年10月1日から、一般消費者が事業者の広告だと判別しにくい表示は景品表示法違反となります。消費者庁は「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です」としており、「企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません」と明記しています。責任を負うのは店舗側です。

論点は、顧客の投稿がどこから「事業者の表示」になるかです。消費者庁のQ&Aは、具体的な事例ごとに考え方を示しています。

事業者がやったことQ&Aが示す考え方
割引価格の提供を条件に投稿を依頼(内容の指示なし)「割引程度の対価であることも踏まえれば、表示内容の決定に関与しているとはいえません」(Q6)。レビュー投稿を条件としたクーポンも同様(Q7)
報酬を支払って個別に投稿を依頼(内容の指定なし)「個別に投稿の依頼を受け、報酬を受領する場合は、当該投稿は『事業者の表示』に該当する可能性が高い」(Q19)
「星5を付けること」を条件にする「事業者は表示(投稿)の内容を決定しているといえるため、『事業者の表示』に当たる」(Q6)
具体的な感想の記載を条件にする同様に「事業者の表示」に当たる(Q8)
事実に反する内容の修正を依頼するそれだけでは「事業者の表示」にならない。ただし自社に都合の良い内容に改めるよう依頼した場合は該当する(Q9)
好意的な評価だけを選んで自社サイトに引用する「事業者の表示」に当たると考えられる(Q10)

重要なのは、Googleのポリシーと景品表示法の線が同じ場所にはないという点です。割引を条件にした依頼は、消費者庁のQ&Aでは原則として告示の対象外とされていますが、Googleのポリシーでは禁止されています。法令上セーフでも規約違反になります。逆に、報酬を伴わない依頼でも投稿内容を指定すれば、Googleのポリシー上の問題より先に景品表示法の問題になります。

厳しいほうに合わせる、という判断が実務的には安全です。

なお、ここでの当てはめは消費者庁の資料に基づく整理であり、個別の事情によって判断は変わります。自社の設計を確定させる前に、法務の確認を受けてください。

設計手順

以上を踏まえると、やることは少なくなります。

  1. アンケートと口コミ投稿を別の工程に分ける。アンケートは店舗への回答、口コミは公開への投稿として、画面も文面も分けます。
  2. 回答内容で分岐させない。全員に同じ案内を出します。評価の高い人だけに投稿リンクを出す分岐を実装しないでください。
  3. 謝礼はアンケート回答に紐づける。投稿の有無で謝礼を変えない。投稿したかどうかを確認しない設計にします。
  4. 投稿内容に条件を付けない。星の数、書いてほしい語句、長さを指定しないでください。
  5. 案内文に「正直な内容で」と明記する。Googleのヘルプも、肯定と否定の両方のフィードバックがあることで顧客がクチコミを信用できるとしています。
  6. 投稿の導線はリンクまたはQRコードにする。ヘルプが認めている手段です。店頭のPOP、レシート、アンケート完了画面のいずれでも構いません。
  7. スタッフ・関係者を依頼対象から外す。利益相反に当たります。
  8. 記録を残す。依頼文、謝礼の条件、配布時期を保存します。後から説明を求められたときに必要になります。

ツールを使うかどうか

この導線は、QRコードと紙のアンケート、集計用の表計算ソフトだけでも成立します。手間がかかるのは、アンケートの集計と案内の送信、そして件数の推移の記録です。店舗数が増えると人手では回らなくなるため、その段階でツールを検討する、という順番が無理のない進め方です。

当社も口コミ運用のツール(LocalBuzz)を提供しています。自社製品のため評価軸はここでは置きません。機能の詳細はサービスページをご確認ください。

よくある質問

アンケートで高評価だった人にだけ口コミを依頼するのは違反ですか

Googleがこの行為を名指しで禁止している資料は確認できませんでした。ただし、依頼先を評価で選別すれば、公開される評価の分布は店舗側が設計したものになります。消費者庁のQ&Aは、好意的な評価だけを選んで引用する行為を「事業者の表示」に当たるとしており、選別という行為自体が表示内容の決定に近づくと読めます。推奨できる設計ではありません。

アンケートに答えてくれた人へのクーポンは問題ありませんか

アンケート回答への謝礼であれば、口コミ投稿と引き換えのインセンティブには当たりません。問題になるのは、投稿を条件にする、あるいは投稿した人だけ内容を変える場合です。案内文で「アンケートへのご協力へのお礼」と条件を明記し、投稿の有無を確認しない運用にしてください。

口コミを書いてくれた人にお礼を言うのは問題ありませんか

公開された口コミへの返信は、Googleのヘルプも推奨しています。問題になるのは返信ではなく、投稿と引き換えに金銭的な価値のあるものを渡すことです。返信のなかで次回の割引を案内する行為は、実質的に投稿への対価になりうるため避けてください。

低評価の人にはアンケートだけで済ませたいのですが

アンケートで出た不満を店舗の改善に使うことは、本来の目的に沿っています。やってはいけないのは、不満を持つ人を口コミの案内対象から外すことです。案内は全員に同じものを出し、改善はアンケートの内容をもとに進める、という切り分けにしてください。

本記事の手順・仕様は2026年10月時点のものです。Googleの仕様は変更されることがあります。

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LocalBuzz Magazine編集部

編集長

店舗集客・MEO・口コミマーケティングを中心に、LocalBuzzマガジンの企画・編集を担当。 Googleマップや口コミ、SNS、LINEなど、店舗ビジネスを取り巻く集客手法について、「店舗運営者が実際に使える情報」を軸に情報を発信しています。 飲食店、美容サロン、クリニック、小売店をはじめとした店舗ビジネスの事例や最新動向をリサーチし、専門的になりがちなMEOやデジタルマーケティングの情報を、できるだけわかりやすく解説することを心がけています。 「口コミを、最高の広告にする。」をテーマに、地域で選ばれる店舗づくりに役立つ情報をお届けします。 担当領域 MEO/Googleビジネスプロフィール/口コミマーケティング/店舗集客/LINE・CRM/SNS活用

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